エッセンシャル思考のための「習慣化」。
いったん脳に回路がつくられると、それまで思考や判断に使っていた領域が別のことに使えるようになるのだ。だから重要な仕事を無意識のうちにこなしながら、同時に別の作業をすることも可能になる。『習慣の力』の著者チャールズ・デュヒッグは次のように説明する。
「脳の活動はどんどん少なくなり、ほぼ停止しているような状態になります。これは実に都合がいい。なぜなら脳の活動をそっくり別のことに使えるからです」
バスケットボールのレイアップシュートを例にして考えてみます。
最初は頭の中で「1、2、シュート」と唱えたりしながらやり方を覚えます。
この段階ではまだ意識がそこに集中しているため、
他のことに意識を集中することは困難です。
上達してくると何も意識しなくてもシュートが打てるようになります。
その段階になると、シュートを打ちながら、ディフェンスの状況や、
味方のポジショニングを把握することができるようになります。
習慣化するまで何度も何度も繰り返すことで、
ニューロン(神経細胞)同士の間に新しい結びつき(シナプス)が生まれます。
反復することによって結びつきが強化されると、情報伝達がスムーズになります。
睡眠や食事、仕事のリズムなどの自分の行動パターンを遵守し、習慣化する。
そうすることで、余計なものごとに注意を奪われずに済むようになり、
本質的なことに頭を働かせることができるようになります。