「誠実さ」とは

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武器としての書く技術 (中経出版)

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「こんなこと書いたら嫌われる・・・」と恐れて公開ボタンを押すのを諦めたとき、ぼくは自分に対して誠実ではなくなります。自分を偽り、本当に言いたいことを言わずに、周囲の顔色をうかがいながら、生きて、死ぬということです。

 

誰も傷つけない無味無臭のテキストは、誰の心にも刺さらないテキストです。文章を書いて、何かしらの人の心に届かせたいと願うならば、誰かの目を気にしていてはいけません。一切誰も傷つけたくないと願うならば、刺激的で面白く、価値のある文章は難しいでしょう。

 

日本人の多くは、「空気を読むことは良いことだ」と考えています。

そのため、思ってもいないことを言って相手の機嫌を取ろうとします。

「誠実さ」とは、他人を傷つけることは極力避けながら、

自分の信念を貫くことではありません。

 

例えば、あなたの彼女(彼氏)の実家がゴミ屋敷だったとします。

あなたが彼女(彼氏)の両親に好かれようとして、

「住み心地の良さそうな家ですね」と言うことは、

自分も他人も偽ることになるのです。

 

傷つける覚悟のない言葉は、相手を甘やかします。

上の例では、こんな家でも受け入れてくれるんだと両親は考えるでしょう。

本当の「誠実さ」とは、相手を傷つける覚悟を持ち、自分の信念を貫くことです。