抑圧される「性」
日本では、「性」について公的に語り合うことはタブーになっている。
人間の三大欲求であるにも関わらず、
それについて話し合うことを恥ずかしいと思っている。
性教育を避ける学校
学校では「歯どめ規定」によって、性について教えられる範囲が定まっている。
例えば、「セックス」という直接的な表現を避け、
「性的接触」という言葉を使わなければいけない。
そして、その過程について説明することは禁止されている。
すると子どもは、セックスに対して、
「汚らわしい」とか「いやらしい」というイメージを抱くようになる。
教える側がタブー視すれば、「性について語ることはよくない」
と思って、性の話をしないことが暗黙の了解事項になってしまう。
「品位を欠く」「性的な表現が不快」
大人でさえこの有様である。
オランダの性教育
日本とは対照的な性教育をしている国として、オランダが挙げられる。
オランダでは小さい頃から、オープンに性について語ることが習慣となっている。
オランダの性教育は5歳から始まる。
その目的は愛や人間関係についてオープンに語り合うことである。
実習では、バナナを使って避妊具の被せ方を学んだり、
人形を使ってセックスの過程を学習したりする。
その結果、10代女性の妊娠率は世界最低となり、
HIVや性病感染についても低い水準になった。
人間の三大欲求の一つである「性欲」。
食欲や睡眠欲は抑圧されないのに、
性欲が抑圧されるのはおかしいとは思わないだろうか。
厳格な母に「性行為は病気の元」と教えられたウィリアム・ハイレンズ。性的なものを敵視する母に育てられたエド・ゲイン。息子の性的早熟を恐れた母によって地下室に隔離されたエド・ケンパー。彼らは歴史に残る連続殺人鬼となった。性的に潔癖な生育環境が子どもを性犯罪から遠ざけるとは限らないだよ
— 中村うさぎ (@nakamurausagi) 2017年8月9日